生命保険と一口に言っても、さまざまな保険があります。いざ入ろうと思っても、どの保険を選んだら良いのか迷ってしまいます。しかし、そんなときでも、基本的な保障の考え方をわかっていたら、保険選びの失敗を防ぐことができます。

その基本的な考え方とは、その死亡保障がいつまで必要なのか期間を考えるということです。なぜなら生命保険は、その保険期間の違いから、大きく分けて終身保険と定期保険の２つに分類されるからです。保障が一生涯続く終身保険と一定の期間の定期保険、この使い分けができると、あなたに適した保険設計に大きく近づくことができます。

自分のお葬式代やお墓代など、死後の整理資金といわれるお金を生命保険で確保する場合について考えてみましょう。

人はいつ死亡するかわかりませんが、いつかは必ず死が訪れます。死後の整理資金は、その時に確実に残しておきたいお金ということになります。このようなお金を生命保険で確保したいときは、終身保険に加入します。

自分が死亡した場合に、家族の生活費を残したい場合について考えてみましょう。

残された家族を経済的にずっと支えてあげることができれば一番よいですが、あまりにも長い期間の保障を用意しようとすると、莫大な保険金が必要で保険料もとても高額になります。したがって、このようなケースであれば、最低限子供が社会人として独立するまでの生活を守ることができれば、あとは奥様と子供が自立した生活を送れるようになるのではないでしょうか？

このように一定の期間まで保障があればよいというときは、定期保険に加入します。定期保険は、保障が10年、20年など一定の期間に限定されているので、必要な期間を効率的に保障することができるのです。

上記保険の組合せイメージの生活保障部分をもっと詳しく考えてみましょう。

例えば、今、あなたが死亡した場合に家族の生活保障として月々15万円が必要だとします。そして、その必要な期間を子供が大学を卒業するまでの20年とすると、必要な保障額は以下の計算になります。

15万円×12ヵ月×20年＝3,600万円

これを定期保険で備えると、保険金額3,600万円の保険に20年間加入することになります。

しかし、ちょっと待ってください。もしあなたが死亡するのが10年後だったとしたら、家族の生活費は20年分ではなく10年分の1,800万円でよいということになります。

そうだとしたら、3,600万円が20年保障される保険は、年月が経つにつれてだんだん過剰な保障になっていきます。そこで、このような生活費などの保障にもっと適した収入保障保険という比較的新しいタイプの保険があります。

収入保障保険は、毎月決まった額が遺族に支払われる保険です。上記の例であれば、保険期間（20年）中に死亡した場合、それ以降、保険期間が終わるまで毎月15万円ずつ保険金が支払われるように契約できます。

これなら、実際に必要な生活保障に則した無駄のない保険設計にすることができます。ちなみに、保険ショップなどでは、遺族の生活保障についての保険は、定期保険よりもこの収入保障保険が主流になりつつあります。

生命保険は、このように必要な保障の種類ごとに、保障額と期間がぴったりとあった適切な保険を選んで、それらを組み合わせることで最適な保険設計にすることができます。この考え方を、ぜひあなたの生命保険選びにお役立てください。